長宗我部盛親の父親である長宗我部元親は、一時的ではありましたが四国全土を制覇した猛将として知られています。元親は嫡男の信親に期待をかけていましたが、九州での戦いで信親が戦死してしまい、後継者に選ばれたのが盛親でした。
ですが、長宗我部家と家臣団は、盛親の元では一つにまとまれませんでした。関ケ原の合戦で西軍に組し、その後の領国での不始末もあって、改易処分となってしまいます。盛親は大名から一転して浪人となり、幽閉・幕府の監視下に置かれました。
お家再興を目指す盛親は豊臣家の誘いで大阪城に入り、元家臣たちも次々に入城し、大坂方の一大勢力となります。最後の戦いとなった大坂夏の陣では、藤堂高虎ら幕府軍に対し、屈強な長宗我部軍の力を見せつけて撃退し、一矢報いたのです。
盛親は大阪城陥落後も潜伏していましたが、結局捕まってしまい、処刑されました。元をたどれば、兄の戦死という思いがけない出来事が、盛親に悲運の人生を歩ませただけでなく、長宗我部家の運命までも変えてしまったのです。
