歴男マイケルオズの「思い入れ歴史・人物伝」

戦国や幕末・維新を中心に古代から現代史まで、主に「人物」に視点を置きながら、歴史好きのオヤジが思いつくままに書いています

歴史・人物伝~大河コラム:大河ドラマ「豊臣兄弟」~前田利家が選んだ道

大河ドラマ「豊臣兄弟」の8月23日放送は、織田家の主導権争いとなる羽柴秀吉と柴田勝家が激突した賤ケ岳の合戦が描かれ、この回のキーマンとなったのは大東駿介さん演じる前田利家でした。

ドラマでは勝家の与力である利家が、秀吉から天下取りの構想を聞かされ、自分が描いている将来像と勝家の考え方とのギャップに悩み、最終的には秀吉に味方するまでが描かれていました。

勝家と秀吉の違いは、織田家の天下を守るのか、織田家に代わって天下を治めるのか、という点。秀吉には「よき国を自分が作る」という確固たる思いがあり、そこは利家も共感できる部分でした。

ただ、利家にとって勝家は師匠であり、恩人でもある人物。理想の国づくりを勝家がしてくれるのなら、文句なく勝家の右腕となったことでしょう。ただ、織田家家老の立場を貫く勝家にはその気がありません。

賤ケ岳の合戦での敗北後、勝家とマンツーマンの勝負をしながら意志の固さを確認した利家は、その足で秀吉の陣中に向かい、理想の国づくりへの思いを盟友である秀吉に託すことになったのです。

ここで改めて、前田利家がなぜ、柴田勝家ではなく羽柴秀吉の側についたのかについて、私なりに考えてみたいと思います。

利家と秀吉の関係は、秀吉がまだ小者だった頃からの知り合いであり、ドラマでは二人の友情物語が描かれることが多く、その友情が最終決断につながったというストーリーになりがちです。

実際に利家と秀吉は仲が良かったのか、あるいは会社でいう同僚程度の関係だったのかは分かりません。ただ、織田家での立場でいえば、総司令官クラスの秀吉と、勝家の与力だった利家という「格差」はありました。

後に利家が加賀百万石の礎を築いたことを考えると、利家には先見の明があったのだろうと思われます。友情とは関係なく、利家は「秀吉についた方が得策」と冷徹に判断したのかもしれません。

 

さて「豊臣兄弟」は次週、いよいよクライマックスのひとつ、北庄城での攻城戦が描かれます。織田家を守る戦いを貫いてきたお市の方は何を思って、最期の時を迎えるのでしょうか。注目です!

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歴史・人物伝~大河コラム:大河ドラマ「豊臣兄弟」~織田家の誇りを守る市の覚悟とは

大河ドラマ「豊臣兄弟」で描かれた織田家の内紛が、いよいよ一つのクライマックスを迎えようとしています。天下人の野望を抱く羽柴秀吉にとって、大きな壁として立ちはだかったのはでした。

史実では、清須会議によって市が柴田勝家に嫁ぎ、賤ケ岳の合戦での敗北を経て北庄城に追い詰められた勝家とともに、自刃して生涯を閉じます。戦国の世に翻弄された悲劇のヒロインとも言える存在です。

ただ、「豊臣兄弟」で描かれている市は、従来のイメージとは異なります。本人が語っていたように、「織田家の誇り」を守るために秀吉と戦い抜く覚悟を決めた戦国武将のような人物像に見えます。

市は、秀吉が天下取りの野望を抱いていることにいち早く気づき、対抗馬となり得る柴田勝家と政略結婚することで武力を手に入れ、自ら信長の法要を営んで一族や重臣らをつなぎ止めようとします。

この動きに秀吉は「市こそが最大の障壁」だと悟り、対決姿勢を露わにしていくわけです。一方、この期に及んでもまだ融和を目指そうという羽柴小一郎は市を訪ねて北庄城へ乗り込んでいきます。

しかし市は、秀吉の野望に触れながら「この私を殺してみよ」と、織田家に成り代わるならそれくらいの覚悟を示せと恫喝しました。信長をほうふつさせるような殺気あふれる態度に小一郎も言葉がありません。

ドラマでは描かれていませんでしたが、小一郎が市を訪ねることは秀吉も承知済みだったと思われます。おそらくそこで、市の覚悟と自身の甘さを身をもって味わって来るだろうと思っていたに違いありません。

次週はいよいよ賤ケ岳の合戦が描かれます。そして勝家と市は滅亡へと突き進んでいくわけです。豊臣兄弟にとって避けては通れない道ですが、小一郎の考えがどう変わっていくのか、変わらないのか。注目したいです。

 

悲劇のヒロインとして取り上げられてきた市を、ここまでの戦略家として描く演出は珍しく、フィクションと分かっていても面白く見させていただいています。宮崎あおいさんの演技あってこそかもしれませんけどね(笑)

 

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歴史・人物伝~大河コラム:大河ドラマ「豊臣兄弟」~日本史上屈指のクーデター・本能寺の変

大河ドラマ「豊臣兄弟」の7月12日放送は、ドラマの大きなクライマックスとなる「本能寺の変」が放送されました。言うまでもなく、織田信長が明智光秀の軍勢に殺害された事件ですね。

今回の本能寺の変の描かれ方については、さまざまな意見があろうかと思いますが、そこには触れず、本能寺の変という日本史上屈指のクーデターの意味について私なりに考察させていただきました。

まずは本能寺の変をクーデターと表したことに異論もあろうかと思われますが、明智光秀が織田政権のトップ及び後継者(信忠)を亡き者にしたという点で、政権簒奪の意図が少なからずあったのではと私は考えます。

光秀の真意は歴史の闇の中にあり、後世に生きている私たちは残された史料等から推測することしかできません。ただ、確実に言えるのは「その後の歴史が大転換した事件」だったということでしょう。

過去にも最高権力者たる将軍が暗殺される事件は起きています。鎌倉時代の源実朝暗殺や室町時代の足利義教、さらに戦国時代にも足利義輝が殺されていますが、これらは本能寺の変とは決定的な違いがあります。

それは「将軍暗殺が歴史の大転換点になっていない」ということ。例えば源実朝暗殺では源氏将軍こそ途絶えましたが、執権北条氏を中心とした政権の構図がひっくり返ったわけではありません。

ところが本能寺の変は、信長と信忠が殺されたことにより、この先の政権の行く末が誰にも分からなくなったわけです。これは、結果として天下統一の後継者になった豊臣秀吉すら、変の直後はそう思っていたでしょう。

クーデターを果たした明智光秀が朝廷(天皇)を掌握して政権を握った可能性もありましたし、織田家の内部抗争で織田信孝と柴田勝家が実権を握る可能性だってあったわけですよね。

さらに言えば、織田家が内紛状態になったことで、戦国時代がさらに混沌とした挙句、徳川家康が史実よりも早く天下を取ったかもしれませんし、毛利氏や島津氏らにも天下取りの芽があったかもしれません。

本能寺の変が起きなかったり、信長が逃げきれていたりしたら、おそらく織田政権は信長の元でさらに強固なものになっていたと思われます。その意味でも「信長がこの世から消えた」ことは極めて重大だったのです。

さあ、大河ドラマ「豊臣兄弟」も次回7月19日からは新たなステージへと突入します。豊臣秀吉・小一郎秀長がどのように天下取りを目指していくのか、それがどう描かれるのか、注目していきましょう!

 

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歴史・人物伝~大河コラム:大河ドラマ「豊臣兄弟」~佐久間信盛追放のこと

大河ドラマ「豊臣兄弟」の28日放送では、織田信長が安土城に家臣たちを招いて盛大な祝宴を開催するも、座興のはずの相撲の結果を口実に佐久間信盛、林秀貞、安藤守就を追放するというシーンがありました。

ドラマでは安藤守就が羽柴秀長の妻の父親という設定だったことから、安藤がクローズアップされていました。ただ、歴史ファンには3人の中でも佐久間信盛の追放が最も知られているところでしょう。

佐久間は信長が尾張統一を果たさんとしている頃からの重臣であり、柴田勝家、丹羽長秀、羽柴秀吉、明智光秀らとともに、信長の戦国統一戦の前線司令官の一人でもありました。

追放にあたり、信長は佐久間と嫡男・信栄に対して19カ条の折檻状を叩きつけました。折檻状の内容は信長公記に詳しく記されており、佐久間親子への辛辣かつ激しい非難の言葉が綴られているのです。

私は以前、歴史マガジン「戦国ヒストリー」に、佐久間信盛追放と折檻状に関するコラムを書かせていただきました。

タイトルは「佐久間信盛は追放されるような失態を犯したのか?検証してみました」で、「信盛を擁護する立場」に立って、折檻状に書かれていた内容から信盛の行動は失態だったのか否かを私なりに考えてみたわけです。

具体的な内容はコラムをご覧いただきたく存じます。

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「豊臣兄弟」は、いよいよクライマックスのひとつである本能寺の変へと向かっていきます。とくに明智光秀がどんなふうに描かれ、政変を引き起こすのかが注目されますね。

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歴史・人物伝~大河コラム:大河ドラマ「豊臣兄弟」~戦国大河とフィクション

大河ドラマ「豊臣兄弟」は、ここ2回ほど、羽柴秀吉の播磨攻略、三木城合戦そして荒木村重謀反と、織田対毛利(大坂本願寺)の構図のなかで奮闘する羽柴軍が描かれています。

本日のコラムはストーリーや歴史背景などから離れ、過去の大河ドラマと比較しながら、戦国大河である「豊臣兄弟」全般の感想について、少々私見を語らせてもらおうかと思います。

そもそも、大河ドラマはあくまでも「ドラマ」であり、そこには作り手である脚本家や演出者のフィクションがあるのが当然だし、史実に合っていないからといって全て否定するものではありません。

「豊臣兄弟」では羽柴秀長を主人公に据えています。秀吉の弟でありながら、ほとんど人物像は知られておらず、作り手としてはフィクションを盛りやすい主人公だろうと思われます。

ただ、主要登場人物である秀吉はあまりにも有名過ぎますし、太閤記で英雄伝説が語られてきた人物。史実や太閤記とかけ離れたよう人物像には描きにくく、今回のドラマでもある程度制約されるのはやむを得ません。

 

2024年の「光る君へ」、25年の「べらぼう」と比べると、それがよく分かると思います。

「光る君へ」の主人公・紫式部は、源氏物語こそ有名ですが、その生涯も人物像もほとんど分かっていません。藤原道長との関係もよく分からず、そこにフィクションの入る余地がありました。

「べらぼう」に至っては、大河ドラマでは過去に描かれなかった江戸時代中期の話だったことに加え、主人公の蔦屋重三郎そのものがほぼ無名の人物だったので、フィクションを描きやすかったでしょう。

 

一方で「豊臣兄弟」は、戦国時代から天下統一へと向かうよく知られた時代であり、主要登場人物も豊臣秀吉、織田信長といった超有名武将ばかり。一家言持つ歴史ファンも前2作とは比較になりません。

例えば第17話での武田信玄の餅を喉に詰まらせた死の描写や、一人で腹を切った浅井長政の介錯をお市がする場面などには、多くの視聴者から「フィクションが過ぎる」との批判コメントが殺到していましたね。

個人的には「ライトな戦国大河だな」という印象を持っています。23年大河の「どうする家康」も似たような印象でしたが、これが今の作り手さんのトレンドなのかなとも思っているところです。

その点、20年大河の「麒麟がくる」は、どちらかというと昔の大河に似た重厚さが目立ったドラマでした。だからといって「葵徳川三代」のような大河が今のトレンドに合うかどうかは分かりませんけどね・・・

ともあれ、次回以降もしっかり視聴し続けたいと思います(笑)

 

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歴史・人物伝~大河コラム:大河ドラマ「豊臣兄弟」~家臣選抜を勝ち抜いた4人とは

大河ドラマ「豊臣兄弟」第18話は、歴史上の出来事を一気に詰め込んだ第17話から2年も歳月が流れ、秀吉が羽柴姓を名乗り、筑前守に任官され、長浜城主となったところから始まりました。

今回は、秀吉が子飼いの家臣団を創設していくためのスタートとなり、後の歴史で活躍する武将が次々と登場しました。大河ドラマという視点からすれば「顔見せ」といったところでしょうか。

ドラマの後半では、家臣を選抜するための試験が行われ、最終選考に残った4人のうち、石田三成、片桐且元、平野長泰が秀吉の家臣となり、藤堂高虎は羽柴小一郎の直臣に抜擢されました。

高虎がメインだったとはいえ、試験の場面では、光成、且元、長泰もそれぞれの個性を際立たせつつ、のちのちの伏線となりそうな演出がされ、興味深く見させていただきました。

それぞれについて感想を書いてみたいと思います!

まずは石田三成。自分の信念を決して曲げず、実直で頑固なマジメ人間ぶりはまさに三成そのもの。兵糧の場面で「かゆにすれば長持ちする」という答えを導き、有能な官僚としての才覚を見せつけたのが印象的でした。

三成は戦場の前線で活躍するのではなく、後方支援で力を発揮するタイプ。豊臣政権では奉行のリーダーとして中核を担い、秀吉の死去後に天下人を狙う徳川家康と関ケ原で激突することになります。

次は片桐且元。偽火事の試験の時に念のためだと言いつつ仏像と経典を持ち出すなど、周りがよく見える人物として描かれています。気弱な一面を垣間見せていたのも且元らしいですね。

且元が表舞台に登場するのは、徳川家康が江戸幕府を開いてから。豊臣秀頼の最側近として幕府側とさまざまな交渉役を担うわけですが、大坂冬の陣の直前に豊臣方から徳川方に寝返ってしまうのです。

それから平野長泰。頭の回転が速く、計算高いしたたかさも見せてくれました。以前の大河ドラマ「真田丸」では、コンプレックスの塊のような長泰が登場しましたが、本作ではどう描かれるでしょうか?

秀吉の死去後、長泰は徳川方についたものの、徳川秀忠に従軍していたために関ケ原の合戦には間に合わず、武功を上げられず大名になり損ねました。子孫は旗本として幕末まで命脈を保ちました。

最後に藤堂高虎。短気で血気盛んな武勇あふれる巨漢ではありますが、観察眼にすぐれた知恵者であるところや、とっさの判断で素早く行動できる積極果敢な姿も描かれました。

高虎は、秀吉の死によって徳川家康に接近し、関ケ原の合戦でも活躍。外様大名ながら家康からの信頼度も高く、最終的には津藩32万石の大名にまで出世しました。

 

ドラマでの4人の活躍が注目されますが、とくに高虎については、過去の大河ドラマでは本格的に登場することが少なかったので、「豊臣兄弟」でたくさんの場面に登場し、成長する姿を描いてほしいものです。

なお、選抜された家臣たちとは違いますが、縁故によって家臣団に加わっていく福島正則と加藤清正も別のシーンで登場しました。いずれは三成や高虎とも切磋琢磨していくことになるのでしょうね。

 

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歴史・人物伝~大河コラム:大河ドラマ「豊臣兄弟」~詰め込み過ぎ?第17話

大河ドラマ「豊臣兄弟」の5月3日放送分(第17話)は、武田信玄の西上作戦に始まって、一気に小谷落城までを描くという構成で、あっという間に有名武将たちが去ってしまいました(苦笑)

豊臣兄弟がかかわっている、将軍義昭追放と小谷落城でのお市救出・浅井長政自刃のシーンこそ、丁寧に描かれていましたが、かかわりがほぼ無い信玄登場シーンなどはかなり端折った感じに思えましたね。

確かに「小谷落城」という予告編が出た時、三方ヶ原の戦い、将軍義昭の決起、信玄の死、義昭の追放、一乗谷攻めと朝倉氏滅亡、小谷落城までの濃密な歴史を1話で完結させるのかという驚きがありました。

演出上の話なので本当のところは分かりませんが、あえて邪推をさせてもらうなら、高市首相の解散・総選挙で1回分放送が削られているため、その埋め合わせで2話分を1話にまとめてしまったのでは、とも(笑)

それはさておき・・・

そんなわけで第17話は、2話分作れてしまうような歴史的な出来事が描かれています。そこで当コラムでは、第17話を2話(90分)に拡大し、私なりにどんなエピソードを追加したいのかを書いてみました。

まずは武田信玄の西上作戦。ここでは、信玄の脅威に対する信長の動向(とくに心理面)や、徳川家康へ佐久間信盛らが援軍に加わるところ(それも家康が「少ない」と愚痴をこぼす)などが面白そう。

次に足利義昭の決起と追放。これは、信長包囲網として義昭が仕掛けた壮大な謀略なので、信玄だけでなく、朝倉や浅井へ檄文を送りつけ、それぞれどう反応するのかも見たいところです。

もう一つ、心ならずも信長の家臣になってしまった明智光秀の心の動きも、もっとじっくり描ければ、後々の本能寺の変に向けた大きな伏線が張れるのではないかと思います。

一乗谷での朝倉滅亡。まずは斎藤龍興の描写をもっと膨らませてほしいなと思いました。三好三人衆の将軍襲撃で登場した意外性を朝倉氏とのかかわりのなかでも見せてくれれば面白かったでしょう。

それから、朝倉義景が一族の朝倉景鏡によって討たれるシーン。ここは景鏡が信長の元に首を届け、本心は見せずに自ら謀反人の泥をかぶって、処刑される形で主君の後を追う、というストーリーが欲しかった・・・

最後に小谷落城。浅井長政とお市のシーンはたっぷり描かれましたが、浅井久政の切腹はあっさり流されました。ここに至るまでの久政と長政の最後の会話なんかを盛り込んだら、久政の人物像が膨らむと思います。

 

ざっとこんな感じ。これなら、第17話と第18話という2回に分けて物語が作れるでしょう。その場合、第17話が「義昭追放」というタイトルになるかな?(第18話が「小谷落城」です)

欲張りすぎかもしれませんが、歴史マニアゆえの戯言と思ってくださいな(笑)

 

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