歴男マイケルオズの「思い入れ歴史・人物伝」

戦国や幕末・維新を中心に古代から現代史まで、主に「人物」に視点を置きながら、歴史好きのオヤジが思いつくままに書いています

歴史・人物伝~大河コラム:大河ドラマ「鎌倉殿の13人」二人の宿老についての感想

歴史・人物伝の大河コラム、今回は昨日放送された第42回「夢のゆくえ」を見た感想として、三善康信大江広元の二人の宿老について書きます。

この回では、源実朝が将軍としての権威を示そうとするのに対し、北条義時はあくまでも執権を中心とした合議制を貫こうとし、政治姿勢で両者が対立するという構図が描かれています。

私が注目したのは、実朝に忠節を尽くす三善康信と、政子に接近する大江広元でした。三善は時として義時の意見に異を唱えますし、大江は義時に近いと思っていたのですが、義時よりも政子に政治力を求めてきます。

その理由として考えられるのは、三善も大江も鎌倉幕府を築き上げたのは源頼朝という強烈な意識を持ち続けていたからではないでしょうか。頼朝は二人にとって、京都から鎌倉に呼び寄せてもらい、重臣に取り立ててもらった大恩人なのです。

それゆえに、三善は実朝に「頼朝のような人物になってほしい」と願い、大江は「頼朝の威光を引き継ぐべき存在は妻の政子だけ」と考えています。おそらく大江広元は、義時に対して「付かず離れず」の姿勢を貫くのでしょう。

政子には、丹後局も「頼朝の妻である覚悟を示せ」と叱咤激励しています。この後のドラマで、政子がどんなふうに変わっていくのか。義時との政治的対立という場面が出てくるのか、注目してみたいと思います。

 

さて、ドラマのラストに隠棲した北条時政が登場しました。時政は失脚によってフェイドアウトしましたが、没したことがどのように語られるのか興味深かったのですが、再登場という形を取ったのは、さすが三谷脚本だと思いました。

とかく悪人として描かれがちだった時政を、終始一貫して「悪気のない権力者」として描き続け、自らが望んでいた穏やかな晩年を過ごす姿で締めくくったのは、とてもよかったと思います。このドラマで新しい時政像が出来た気もしますね(笑)

 

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