歴男マイケルオズの「思い入れ歴史・人物伝」

戦国や幕末・維新を中心に古代から現代史まで、主に「人物」に視点を置きながら、歴史好きのオヤジが思いつくままに書いています

歴史・人物伝~大河コラム:大河ドラマ「鎌倉殿の13人」平賀朝雅は北条親子対決のキーマン

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」21日の放送では、北条時政の娘婿として平賀朝雅が初登場しました。番組を見るまでは、朝雅のことはほとんど知りませんでしたが、調べてみると、かなり曰く因縁がある人物だと分かりました。

ドラマでまず気が付くのは、御家人たちの話し合いのなかでの言葉遣い。北条義時大江広元といった年長者に対しても、敬語を使っていません。これは、朝雅が御家人の中でも地位が高いということを示しています。

朝雅は、曽祖父が新羅三郎義光、すなわち源氏の出身なのです。父の義信は、頼朝とはほぼ同世代で、治承・寿永の乱源平合戦)では頼朝に従軍し、幕府開設後には一門のトップとして御家人筆頭の地位にあったといいます。

頼朝と頼家の親子により、義経、範頼、阿野全成といった直系が次々と粛清されるなかで、平賀氏は命脈を保ってきたばかりか、鎌倉幕府の中枢に居続けられました。その名門出である朝雅に目を付けたのが時政だったのです。

北条氏はやがて、時政と牧の方(りく)が、義時や政子と対立するようになります。そして、時政らは実朝を将軍から引きずり下ろし、朝雅を次期将軍に据えようと画策するのです。そうなれば、時政は将軍の義父となり、一層強い権力を握れるわけです。

朝雅自身も、御家人たちの争いの火種を作ります。史実をひもとけば、それが何か分かりますが、ドラマとしてはネタバレになってしまいますので、このコラムでは詳細には触れません。ドラマをお楽しみに、といったところです(笑)

ここからは余談ですが、ドラマのラストで頼家の子・善哉に対し、比企尼草笛光子)が北条氏への恨みつらみを植え付けるシーンには、戦慄が走りました。この善哉こそ、成長して公暁となり、やがて源氏政権に止めを刺すことになるのです。

★宣伝です。私の会社員人生晩年を振り返り、教訓を導いた著書が発刊されました。よかったら読んでみてください