歴男マイケルオズの「思い入れ歴史・人物伝」

戦国や幕末・維新を中心に古代から現代史まで、主に「人物」に視点を置きながら、歴史好きのオヤジが思いつくままに書いています

歴史・人物伝~大河コラム:大河ドラマ「鎌倉殿の13人」策謀家・頼朝の本領発揮

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大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、いよいよ源頼朝による木曽義仲討伐、そして悲願の平家打倒へと物語が進んでいきます。その前に、頼朝が恐るべき策謀家ぶりを発揮したシーンが、17日放送分「足固めの儀式」に描かれていました。※敬称略

義仲討伐を急ぎたい頼朝(大泉洋)に対し、御家人たちは「源氏同士の争いには加担できない」とし、ついに頼朝を排そうと計画します。しかし、頼朝側が謀反を察知し、御家人たちの動きを封じたため失敗に終わるのです。

頼朝は、謀反を起こそうとした御家人たちの見せしめに、最も勢力が強い上総広常(佐藤浩市)を処断するよう命じます。そして、御家人たちが集まった席で梶原景時中村獅童)が広常を斬り殺したのでした。

後ろ盾がなかった頼朝にとって、それぞれの領地を持つ御家人たちを従わせるのは大変だったと思います。しかし、平家打倒のためには、東国の御家人を結集しなければなりません。そこで一計を案じたのです。

大軍勢を持つ上総広常は、軍事面では非常に頼もしい御家人でしたが、その勢力の強さゆえ、頼朝は「広常が御家人たちを結集してしまったら、自分がやられてしまう」と恐れていたのではないでしょうか。

トップに立つ者が、ナンバーツーや自分になり代わる力を持つ者を排斥するということは、歴史上数えきれないほどあります。頼朝自身も、この後、弟の義経や範頼を同じような理由で討伐しているのです。

上総広常は、頼朝を立ててはいましたが、心の中では「同格」と思っていたのかもしれません。梶原景時や北条氏のように、頼朝を「別格」と考えた御家人が生き残っていくのも、当然と言えば当然なのでしょう。

源平合戦の最中に、上総広常が殺されることは史実で知ってはいましたが、「鎌倉殿の13人」での一連の流れの描き方は、さすがは三谷脚本だと、思わずうなりました(笑)

※このコラムはnote版「歴史・人物伝」と共通記事です