歴男マイケルオズの「思い入れ歴史・人物伝」

戦国や幕末・維新を中心に古代から現代史まで、主に「人物」に視点を置きながら、歴史好きのオヤジが思いつくままに書いています

歴史・人物伝~大河コラム:大河ドラマ「鎌倉殿の13人」実朝暗殺がもたらした亀裂

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」も、いよいよ大詰めとなってきました。20日と次回27日の2週連続で、源実朝暗殺事件をたっぷりと見せようという演出が組まれ、エンドクレジットに「つづく」の文字が欲しかったほどです(笑)

さて、前回の大河コラム「影が薄い鎌倉幕府の将軍(鎌倉殿)」で、ネタバレに遠慮して書けなかった「実朝暗殺の巻き添えを食った人物」ですが、20日の放送でだいたい分かったかと思われますので書きます。源仲章です。

仲章は、良くも悪くも後鳥羽上皇と将軍(鎌倉殿)の仲立ち役をしていました。実朝が上皇の子を次の将軍に迎え入れるために、朝廷の事情にあかるい仲章を重用していたことは間違いありません。

ドラマではどう描かれるかはわかりませんが、史実として残ったのは、実朝と仲章が同時に殺されてしまったということ。それは、朝廷との太いパイプを一気に失ってしまったことを意味しているのです。

実朝が殺され、実行者の公暁も討たれたことで、鎌倉幕府の根本である将軍が不在となってしまいます。執権である北条義時が実権を握っているとはいえ、北条氏単独で政権を担えるはずはなく、一刻も早く後継将軍が必要となったのです。

ただ、実朝は右大臣という非常に高い身分だったため、これまでのように「源氏の血統のある者」を据えればいいというわけにはいきません。皇室や摂関家といった身分でなければ、将軍の座に就けなくなってしまいました。

そこには当然、京の朝廷側と鎌倉幕府(北条氏)との「綱引き」が出てくるわけですが、その仲介役ができた仲章が不在となってしまったため、双方が激しく引っ張り合い、ついには「綱が切れてしまう」事態へと発展するのです。

 

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