歴男マイケルオズの「思い入れ歴史・人物伝」

戦国や幕末・維新を中心に古代から現代史まで、主に「人物」に視点を置きながら、歴史好きのオヤジが思いつくままに書いています

歴史・人物伝~渋沢栄一「実務者としての力量を買われた男」

※noteとの共通記事です

f:id:mykeloz:20211210084030j:plain

大河ドラマ「青天を衝け」も大詰めとなってきました。主人公の渋沢栄一については、これまでも歴史・人物伝~番外コラムで紹介しましたが、エピソード編では「渋沢を使う側」の視点で書いてみたいと思います。

渋沢は、平岡円四郎との縁で一橋家に仕官し、徳川慶喜を主君と仰ぐようになりました。渋沢は武士の身分ではありませんが、平岡は彼の志の高さを買ったのでしょう。ただ、それだけではないような気もします。

当時、武士は「経済活動」とは無縁の世界で生きていました。金が足りなければ庶民から上納金を集めればいいと考えており、自らは生産や流通などに携わらない「究極の消費者」だったのです。

渋沢は、幼い時から父親に連れられて藍玉の行商をしていました。商売を通して経済の仕組みを体験的に覚えたのです。一橋家の家臣には無い経験の持ち主だったことは言うまでもありません。

渋沢は、実務者としての力量を発揮することで、一橋家の財政を支える人材になっていきました。財政改革は、彼にとっては当たり前であっても、武家社会で育った者たちには画期的に感じることも多かったと思います。

徳川昭武の従者としてヨーロッパに赴くことになったのも、実務能力を買われての抜擢でした。同時に、渋沢に「先進国の経済」を学び、実践する力を身に付けてもらおうという意図もあったのだろうと考えられます。

徳川慶喜は、新しい形の政権を見据えていたといいます。仮に慶喜の新政権が誕生すれば、渋沢は優秀な経済官僚として政権を支えたでしょう。そう考えると、改めて平岡円四郎の慧眼には驚かされますね(笑)

note.com

note.com