歴男マイケルオズの「思い入れ歴史・人物伝」

戦国や幕末・維新を中心に古代から現代史まで、主に「人物」に視点を置きながら、歴史好きのオヤジが思いつくままに書いています

思い入れ歴史・人物伝~信長編番外コラム2本

note版「思い入れ歴史・人物伝~信長編」の番外コラム2本を掲載いたします。

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 若き信長を演じた名俳優

歴史愛好家マイケルオズです。史実を追いながら「歴史・人物伝~信長編」を書いてきましたが、本日はちょっと趣向を変えて、信長を主人公にした映画「風雲児織田信長」をご紹介しましょう。

この映画は1959(昭和34)年に公開されました。萬屋錦之介さんが主役の織田信長を演じ、「大うつけ」と言われた青年時代から桶狭間の合戦で勝利するまでを描いています。

映画の冒頭は、昨日の「歴史・人物伝~信長編」で書かせていただいたとおり、父・信秀の葬儀で信長が抹香を位牌に投げつける場面です。悲しみと怒りが混じった複雑な表情を錦之介さんが見事に演じています。

私は20代の時に初めてこの映画を見ましたが、錦之介さんの迫真の演技に圧倒されっ放しでした。濃姫役の香川京子さんをはじめ、脇を固める人たちも名俳優ばかりで、東映時代劇の全盛期をうかがわせました。

とくに印象に残っている名ゼリフが「尾張の大うつけで終わるか、天下を取るかだ!」です。当時の信長が天下取りまで見据えていたかは別として、強烈なインパクトを与えてくれました。

錦之介「信長」の言う「天下取り」への関門の一つが、舅(しゅうと)の斎藤道三との対面です。次回は信長編に戻って、信長と道三の対面について書きたいと思います。

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渡哲也さんが演じた信長

NHK大河ドラマ麒麟がくる」が、8月30日から放送再開となります。主人公の明智光秀が、織田信長の家臣となって歴史の表舞台に登場してくるので、史実がどう描かれるのか楽しみです。

ところで、戦国時代を舞台にした大河ドラマでは、必ずといっていいほど登場する織田信長。過去、多くの俳優が演じてきましたが、それぞれドラマの特徴を生かしたキャスティングがされていました。

そのなかでも、「秀吉」に登場した渡哲也さんの織田信長は、圧倒的な存在感と威厳がありました。秀吉役の竹中直人さん、明智光秀役の村上弘明さんら家臣たちが、恐れおののきながら仕えていたのを覚えています。

渡さんの信長には、「人としての優しさや弱さも持ち合わせていた」との演出が施されていたと思います。それを家臣の前では決して見せず、「威厳」というベールで覆い隠していたのです。

本能寺の変での最期のセリフ、「神が・・・死ぬか」は、印象に強く残っています。そこには「なぜ自分がこの場で死ななければならないのか」という理不尽さと無念さが、短い言葉に託されていたのだと私は考えます。

最後に、渡哲也さんのご冥福をお祈りし、このコラムを閉じます。