近藤勇の盟友であり、新選組では鬼副長として近藤局長を支えてきた土方歳三。戊辰戦争に敗れて江戸へ戻り、再起を期した流山で近藤が投降したことで、土方は新選組の事実上のトップとなって新政府軍と戦っていくのです。
それまでの土方は、ナンバー2である自分の立場をわきまえ、常に近藤を立てることに徹してきました。とくに隊の反体制分子に対しては、鬼副長として厳格かつ非情な粛清を実行し、隊士たちに恐れられてきたといいます。
近藤という「重し」が外れ、自分の考えで行動できるようになった土方は、京都時代とは別人のように隊士を思いやる指揮官だったそうです。しかし、新政府軍に対しては徹頭徹尾交戦する姿勢を貫き、鬼副長の面目を最後まで保ち続けました。
函館の旧幕府軍では、指揮官として松前城での戦いや宮古での軍艦奪取作戦を実行。新政府軍の函館侵攻を阻止する二股口の戦いでは、敵に銃弾を浴びせ続ける防衛戦を展開して侵攻を許さず、指揮官としての力量の高さを見せつけました。
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