伊能忠敬は日本全国を測量しながら歩いて巡り、実測による日本地図を作成した人物として有名です。その精度は非常に高く、現在の測量技術で作成した地図と比べても、海岸線の誤差はほとんどないそうです。
この功績だけでも凄い人物なのですが、伊能が全国測量に着手したのは隠居後の50歳過ぎからだというのが、さらに驚きです。佐原(現千葉県香取市)で家業を継ぎ、事業家として名を残し、後継者に引き継いでからの隠居でした。
しかも、隠居後に自分よりも若い学者に弟子入りし、天文や暦学を学んだというから頭が下がります。そして、学問を机上だけにするのではなく、その知識を実践の場で生かしました。その集大成が日本地図の作成だったのです。
今流で言えば、企業の第一線でバリバリ働いてきた人が、退職後も旺盛な向学心で第二の人生でも活躍した、という感じでしょうか。私事ですが、定年を間近に控えた身にとって、伊能忠敬の生き方を「お手本」にしなければいけませんね(笑)