(その1)からの続きです
上杉景勝と腹心の直江兼次を描いた大河ドラマ「天地人」が2009年に放送されました。原作者の火坂雅志さんは新潟県出身で、上杉家には格別の思いがあったようです。謙信好きの私も、ドラマには大いに期待していました。
その年の4月に米沢市を旅行し、地元の方と「天地人談義」に花を咲かせました。その時「前田慶次は誰がキャスティングされるんだろう」との話題になり、地元の方は「パチンコのイメージが強いから出てこないかも」と心配していました。
慶次は、関ケ原の合戦の東北版ともされる「長谷堂の戦い」で、劣勢となった上杉軍の撤退に尽力したといいます。火坂さんも「自刃しようとした兼次を慶次がたしなめた」と記しており、ドラマでも当然描かれるものだと信じていました。
ですが、ドラマに前田慶次は出てきませんでした。事情があったのかもしれませんが、「せっかく1年間見続けてきたのに台無しにされた」という思いにかられたのです。火坂原作を生かしきれなかった脚本と演出は、今でも残念でなりません。